ズブロッカ はバイソングラス独特の香りが特徴の、ポーランドを代表するフレーバードウオッカです。 その起源は500年以上前とも言われており、現在アメリカ、フランス、ハンガリー、イギリスなど70カ国以上の国で親しまれています。 蒸留はポーランド最大の連続式蒸留設備を持つ「ビヤリストック」蒸留所で行なわれています。 | ||
歴史 ズブロッカを語るには、錬金術師が始めてポーランド"ウオッカ(wodka)"の蒸留に成功したと言われている、14世紀まで遡らなければなりません。 ウオッカの人気は急速に高まり、当時のポーランドの開拓者は次第に大自然の中の素材を見つけ出し、ウオッカに加えるようになりました。 1534年に出版されたポーランドの薬草ハンドブックには蒸留術を記した章があり、その中にバイソングラスを使用したレシピが記載されています。その"グラス(grass)"ウオッカの魅力的な味わいは、すぐにポーランドの人々の心を奪いました。その後何世紀にもわたり、バイソングラス風味の自家製ウオッカとして存在していたズブロッカの商標は、1894年に初めて登録され、1953年にポーランドのスピリッツ生産者であるJ.Dubinskiによって現在のズブロッカ製法が確立されました。 |
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神秘の森ービアウォヴィエジャ ポーランド北東部、人里離れた緑深き森、ビアウォヴィエジャ。 ズブロッカはこの森なしには語れません。 ヨーロッパの中で唯一太古の姿を残していると言われるこの森では、多くの木々や植物がゆったりとした時間の流れのなかで息づく。ズブロッカの象徴であるバイソングラスもこの自然の中で育まれています。 文明からぽつんと取り残されたかのようなこの森は、1921年から国の保護を受け、1932年には国立自然公園に認定さました。 徹底した管理の下、森の中には許可を得た者だけが足を踏み入れることを許され、車両の進入も一切禁止されています。また、一切の狩猟や化学系殺虫剤の使用も禁止されています。 1976年UNESCO(ユネスコ)生物圏保護区に指定、1979年世界遺産(自然遺産)に認定。 |
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バイソングラス 学名Hierochloe odorata もしくは Hierochloe australis。 ラテン語で「聖なる草」を意味するその草は、好物として食しているバイソンにちなんで「バイソングラス」と呼ばれています。 独特な香りと栽培が困難なことで知られ、ビアウォヴィエジャの森の限られたエリアにのみ自生しています。 刈り取りは、許可を得た人たちの手によってバイソングラスが最も香り豊かになる初夏に行われます。 その後バイソングラスは自然乾燥を経て、数日間かけエッセンスが抽出され、このエッセンスによりズブロッカ独特のフレーバーが生み出されます。 |
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ヨーロッパバイソン ズブロッカのラベルに描かれている、ヨーロッパバイソン。 太古の自然を残すビアウォヴィエジャの森は、ヨーロッパバイソンが自然の中で自由に暮らす最後の森であり、彼らはこの森の象徴として尊ばれています。 大きく威厳のある出立ちとは相反し、繊細でおとなしい性格。 力強い動物である一方、絶滅の危機に瀕しています。 10世紀頃にはバイソンを狩猟することができるのは王族のみとされ、密猟者は極刑に処されました。 その後バイソンの生息数は激減し、現在は森と同様に国の管理の下で保護されています。 現在この森に生息するバイソンは約500頭。 IUCN(国際自然保護連合) により絶滅危惧種に指定されています。 |
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